朝日日本歴史人物事典 「河津省庵」の解説
河津省庵
生年:寛政12(1800)
江戸後期の漢蘭折衷医。相模国(神奈川県)相原生まれ。名は卓,字は子立。忍藩(埼玉県行田市)の侍医芳川波山について漢学と古医方を学び,同藩で開業し,侍医にもあげられた。のち蘭学も学び,数回にわたって解剖に従事し『医則発揮』5巻(1852)を著した。これは古医方の生理学書というべきもので,実体凝流説,四質四官説,三部区別説などの新しい説を述べている。<著作>『内景図』『治療大全』『胎育全書』<参考文献>富士川游「河津省庵先生」(『富士川游著作集』7巻)
(深瀬泰旦)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報