河面庄(読み)かわものしよう

日本歴史地名大系 「河面庄」の解説

河面庄
かわものしよう

武庫むこ川中流域に位置し、現川面かわもを遺称とする。仁安三年(一一六八)三月七日の後白河院庁下文(国立歴史民俗博物館蔵醍醐寺文書)に「河面」とみえ、久安年中(一一四五―五一)同川上流にある美福門院領野鞍ののくら(現三田市)から年貢として運上する木材に対し、川下にある西宮・広井ひろい(現西宮市)、河面の三ヵ所の津守が運上を徴収するため木材を抑留したりすることが停止されたが、永暦元年(一一六〇)野鞍庄を山城醍醐寺音成仏院に寄進した直後に美福門院が没すると、三ヵ所の津守は再び材木を押妨したため仁安三年停止を命じた下文が出された。河面は同川が蛇行して川幅が広がる位置にあり、古くから交通の要であった。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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