20世紀日本人名事典 「泉井安吉」の解説
泉井 安吉
イズイ ヤスキチ
- 生年
- 明治35(1902)年6月11日
- 没年
- 昭和42(1967)年6月17日
- 出生地
- 高知県安芸郡室戸町(現・室戸市)
- 学歴〔年〕
- 室戸尋常高等小学校高等科
- 経歴
- 地元で一年ほどマグロの延縄漁業を行ったのち、神戸の山陽鉄工所に勤務。その傍ら、夜学で設計や工作技術を学ぶ。大正11年帰郷して泉井鉄工所を設立し、マグロ延縄の自動巻き上げ機(ラインホーラー)の開発に成功。同機ははじめ、折からの恐慌のため国内での売れ行きは芳しくなかったが、昭和7年台湾での売り込みに成功して以来、国内外の業者から注目を浴びるようになった。戦後はマグロを保存するための船舶用小型冷凍機やサケ・マス用の流し刺し網巻き上げ機などを開発。また、ラインホーラーにも改良を加え、28年同機が国連食糧農業機関に紹介されたのを機に、世界中に販路を持つようになった。30年高知市に光洋造機、同年横浜市に泉井製作所、37年室戸に室戸建機を創立し、それらの社長として手広く事業を展開。他方、室戸汽船取締役社長や日本水産機械工業協同組合理事長など、各種団体・会社の役員や室戸市議などを歴任した。
出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報