泉南アスベスト訴訟

共同通信ニュース用語解説 「泉南アスベスト訴訟」の解説

泉南アスベスト訴訟

戦前から高度成長期にかけて大阪府南部に集中した紡績工場で、アスベスト(石綿)を吸い、肺がんや中皮腫を患った元労働者らが2006年以降、国に賠償を求め大阪地裁に提訴した。一審は患者側が勝訴。大阪高裁では二つの訴訟で判断が分かれ、最高裁が昨年10月、規制の遅れを理由に国の賠償責任を認める統一判断を出した。賠償額の算定のため審理が高裁に差し戻された一部の原告についても、同12月に和解が成立し、訴訟は終結。国は原告以外の患者も救済していく方針を示している。

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知恵蔵mini 「泉南アスベスト訴訟」の解説

泉南アスベスト訴訟

大阪府泉南地域のアスベスト(石綿)紡織工場の元従業員らが起こした、二つの国家賠償請求訴訟。石綿肺や肺がんなど石綿の吸入による健康被害を受けた元従業員や近隣住民、及びその遺族らが、被害防止のための規制や対策を適切に行わなかったとして国に損害賠償を求め、06年に第1陣、09年に第2陣の二つの訴訟を提訴した。その後、両訴訟の審理は大阪地方裁判所、大阪高等裁判所を経て最高裁判所へと移り、14年10月、国の責任を認める判決が言い渡された。この判決で第1陣、第2陣共に原告の勝訴が確定したが、第1陣は賠償額の算定のために大阪高等裁判所へ審理が差し戻された。これを受け、国は第1陣の原告に和解を申し入れて早期の全面解決を目指し、第2陣を含めた全ての原告に直接謝罪することを発表した。

(2014-10-23)

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