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字母 じぼ

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

字母
じぼ

(1) 音を書き表わす場合の基本となるひとつひとつの文字。単音を表わすのを原則とするアルファベットが代表であるが,かな文字やデーバナーガリー文字などの音節文字のひとつひとつも字母ということがある。音声記号もまた,各単音に一記号を対応させて用いる方式の場合は音声字母ともいう。 (2) 漢字の声母を分類する際に用いられる,各声母をもつ代表字をさす。『韻鏡』の枠組みでは語頭子音が 36あり,これを三十六字母という。 (3) 活字の鋳型をつくるもととなる字型。活字母型のこと。

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百科事典マイペディアの解説

字母【じぼ】

印刷用語。→母型
→関連項目点字

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世界大百科事典 第2版の解説

じぼ【字母】

文字には種々の体系があるが,いずれもその体系中の個々の要素である〈字〉の結合・連続によって特定の言語を表記するのを目的とする。しかし,その体系の要素である1字1字の機能にはちがいがあるので,文字はその表す単位によって〈単語文字(表語文字)〉〈音節文字〉〈音素文字(単音文字)〉に分けられる。〈かな〉のような音節文字とローマ字(アルファベット)のような音素文字は単語よりも小さな単位(音節音素)に分析しているので個々の字が直接には意義と結びつかず,〈表音文字〉と呼んで,漢字のような単語文字である〈表意文字〉に対せしめられる。

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大辞林 第三版の解説

じぼ【字母】

ある言葉を表記するのに用いられる、すべての表音文字。梵字・ローマ字・仮名など。 〔字母を音素文字に限り、音節文字である仮名をこれに含めない考え方もある〕
母型ぼけい 」に同じ。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

字母
じぼ

(1)アルファベット、ハングルのように、子音字と母音字とがあって、音節をそれらの組合せとして書き表す文字の各字letter。字をつづり合わせて初めて語が書ける表記形式なので、その1字が表記の要素、基になるものという意味で字母とよばれる。なお、仮名の1字を字母とよぶのは誤りである。また、句読点などの記号を含め、同じデザインの字母や活字の一そろいをフォント(font、書体)という。
(2)中国の注音字母は、音節を声母(頭子音部)と韻母(ときに末子音も添えた母音部)とに分割して記す記号である。中国古来の韻学では、声母に36の種別をたてて字母としている。
(3)活版印刷の組み版に用いる活字を鋳造するために用意される母型matrix。作り方によって、彫刻字母、電胎字母、打ち出し字母に分かれる。[日下部文夫]

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世界大百科事典内の字母の言及

【韻図】より

…《韻鏡》にみられる七音の枠,すなわち頭子音の調音部位による唇音・舌音・牙音・歯音・喉音・半舌音・半歯音の7区分,および各枠内の清・次清・濁・清濁という調音方法の区別は,したがって,インド音声学の影響を思わせる。頭子音の代表字を定めて,それを字母と呼ぶが,元来仏典においてアルファベットを意味した〈字母〉が頭子音の個々を意味するようになるのは,インド文字の書写法を仲介にして,はじめて説明可能である。かくのごとく,頭子音の把握にインド音声学の影響を想定することは,許されるであろう。…

【レタリング】より

…タイプライターやコンピューターのプリンターなどの機械も加わって,文字を表す方法はしだいに広がり複雑になってきた。印刷においても情報の大量化にともない,従来の手組みの活版印刷に加えて,モノタイプ機,ライノタイプ機,写真植字機などが導入されてスピード化がはかられ,1ページに収める情報量を増やすために文字が縮小され,情報の多様化にともなって書体の種類も多くなったが,これらの文字も原型(字母(じぼ))はすべて手によって書かれたものである。今日ではレタリングの世界はさらに広がり,街角や高速道路で用いられる文字や,電光掲示板の文字,高層ビルの窓の開閉によって表された文字,運動会の〈人文字〉など,書くのではなく計画によって表現される文字もその対象になっている。…

【字母】より

…〈かな〉のような音節文字とローマ字(アルファベット)のような音素文字は単語よりも小さな単位(音節音素)に分析しているので個々の字が直接には意義と結びつかず,〈表音文字〉と呼んで,漢字のような単語文字である〈表意文字〉に対せしめられる。そして,表音文字の体系を構成する個々の字が,〈字母〉と呼ばれる。ただし,たとえばローマ字はABCからXYZに至る26字母からなるというが,〈かな〉のいろは48字は普通は字母といわない。…

※「字母」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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