泰産寺(読み)たいさんじ

日本歴史地名大系 「泰産寺」の解説

泰産寺
たいさんじ

[現在地名]東山区清水一丁目

清水寺境内にある。同寺の塔頭。本尊観音菩薩。「京内まいり」(宝永五年刊)に「泰産寺といふ三重の塔 本尊観音、是より清水寺の惣門へ入」、「山州名跡志」(正徳元年刊)に「三重塔婆西向本尊千手観音坐像二尺許脇士地蔵毘沙門天」と記す。一般に子安こやすもしくは子安の塔の名で知られ、「此観音に祈念すれば平産するとて帯をかけ」る習俗が存した(出来斎京土産)。「京都府地誌」の「養老年間、光明皇后御願ニヨリ造立。元禄年中、僧清長中興ス」は、古くより当寺の縁起として語られてきたものである。「雍州府志」も光明皇后が伊勢皇太神宮の神託によって天平二年(七三〇)建立し、一寸七分の霊像を安置したとし、塔の創建が清水寺の創建より七六年前であるとしている。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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