子安（読み）コヤス

デジタル大辞泉

こ‐やす【子安】

１ 子を安らかに産むこと。安産。「子安のお守り」
２ 「子安地蔵」の略。
３ 「子安観音」の略。

出典　小学館

精選版 日本国語大辞典

こ‐やす【子安】

1. 〘 名詞 〙
2. ① 子を安らかに産むこと。安産。
   1. [初出の実例]「地蔵ぼさつは、これをあはれみましまして、子易平産の大願をおこし給ふ」(出典：御伽草子・子やす物語（室町時代物語大成所収）（室町末）)
3. ② 子安の神の所在地をいう。特に、相州（神奈川県）大山山麓の地が有名。
   1. [初出の実例]「わしが若い時は、大山の子安(コヤス)でも王子でも七十五貫といふ奴をやらかして三度さしたね」(出典：歌舞伎・心謎解色糸（1810）三幕)
4. ③ 「こやすじぞう（子安地蔵）」の略。
   1. [初出の実例]「是は、こやすのたうでござる、おがまっしゃれい」(出典：狂言記・伊文字（1660）)
5. ④ 「こやすかんのん（子安観音）」の略。
   1. [初出の実例]「其たらちねを尋ぬなる、子安の塔を過ぎ行けば」(出典：光悦本謡曲・熊野（1505頃）)
6. ⑤ 「こやすばば（子安婆）」の略。
   1. [初出の実例]「鉄丸(てっぽう)の御産子安も玉の汗」(出典：雑俳・柳多留‐一五六（1838‐40）)
7. ⑥ 「こやすがい（子安貝）」の略。

こやす【子安】

1. 姓氏の一つ。

出典　精選版 日本国語大辞典

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

子安
こやす

神奈川県東部，横浜市神奈川区東部の地区。明治期までは農漁村であった。大正以後，地先が埋立てられ，石油精製，化学，自動車などの大工場が立地し，京浜工業地帯の一部となった。現在は JR東海道本線，国道1号線に沿う住宅，工場の密集地となっている。

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