津向村(読み)つむぎむら

日本歴史地名大系 「津向村」の解説

津向村
つむぎむら

[現在地名]七尾市津向町

小島こじま村の北西、七尾南湾沿岸に位置する。地名大杉おおすぎ崎から内陸部に湾入する海岸が古代の国津加島かしま津に向いていることに由来するという伝承がある(鹿島郡誌)。文明一一年(一四七九)九月四日招月庵正広は守護代遊佐統秀に誘われ、津向という北の磯山小庄のある所に遊び、和歌四首を詠じている(「松下集」国会図書館蔵)。永禄六年(一五六三)八月九日には僧等喜が能登総持寺に「能州賀島郡津向山慈渓寺」の前住月印瑞珠の入牌料として、不尽灯の鳥目一千疋に鉄灯籠一基を添えて寄進しており(総持寺文書)、慈渓寺は山号から当地に所在した曹洞宗寺院と推定される。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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