津島天王祭(読み)つしまてんのうさい

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「津島天王祭」の意味・わかりやすい解説

津島天王祭
つしまてんのうさい

愛知県津島市神明町の津島神社の祭り。元は旧暦 6月14~15日に行なわれたが,今日では 7月第4土曜日・日曜日に行なわれている。津島神社は元は津島牛頭天王社と呼ばれた牛頭天王の神社であることから,天王祭の名がある。初日の宵祭では神輿が天王川の御旅所に渡御し,365個の小提灯を傘状につけた津島五車と呼ばれる 5地区の巻藁船(車楽舟〈だんじりぶね〉)が夜の天王川公園を御旅所へ漕ぎ寄せる。翌朝の朝祭には,鉾持ち 10人を乗せた市江車に先導されて,昨夜とは変わり能人形を乗せた津島五車が御旅所に向かう。御旅所に着く手前で,市江車の鉾持ちが次々と川に飛び込んで,御旅所に鉾を奉納する。その後,神輿還御となり,次の日の朝,神葭(みよし)を流して災厄退散を祈る神葭放流神事が天王川でひっそりと行なわれる。尾張津島天王祭の車楽舟行事として国の重要無形民俗文化財に指定されており,2016年に「山・鉾・屋台行事」の一つとして国際連合教育科学文化機関 UNESCO世界無形遺産に登録された。

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