津沢町(読み)つざわまち

日本歴史地名大系 「津沢町」の解説

津沢町
つざわまち

[現在地名]小矢部市津沢

新西島しんにしのしま村の南、小矢部川中流域に位置。当地は清水しみず野と称された原野であったが、小矢部川舟運上利便の地であったことに注目し、本江ほんごう(現福野町)の阿曾三右衛門が藩蔵の設置を嘆願し、明暦二年(一六五六)約六千石を収納する藩蔵二棟(四間×二〇間・三間×一〇間)が小矢部川右岸に設置された(小矢部市史)。以降もと福野ふくの(現同上)御蔵に納められていた米の一部が当地の蔵に収納された。舟が発着し、米だけでなく諸種の物資が流通するようになり、近郷近在からの農民出入りも増加した。清水村に転居していた三右衛門は万治三年(一六六〇)、清水野一円の荒地に町立てして一〇〇戸の家を建て、家は福野町並みに奥行二五間とし地子銀町口一間あたり一匁を納める、蔵米運搬の舟便で帰り荷に肥や灰・塩などを扱い替りに櫂役銀を納める、毎月一・六・九の日の九斎市を立てたい、との町立願書を提出、ほどなく願書どおりに許可され、津沢町が成立した(「津沢町立願書」中島家文書)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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