洪範九疇(読み)コウハンキュウチュウ

デジタル大辞泉 「洪範九疇」の意味・読み・例文・類語

こうはん‐きゅうちゅう〔‐キウチウ〕【洪範九×疇】

書経」の洪範編に述べられた政治道徳の九原則五行ごぎょう五事八政五紀皇極三徳稽疑けいぎ庶徴しょちょう五福九つ

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精選版 日本国語大辞典 「洪範九疇」の意味・読み・例文・類語

こうはん‐きゅうちゅう‥キウチウ【洪範九疇】

  1. 〘 名詞 〙 中国で、禹(う)が堯舜以来の思想整理集大成したという、「書経‐洪範」に記された政治道徳に関する九つの原則。五行、五事、八政、五紀、皇極、三徳、稽疑庶徴、五福をいう。〔古学先生文集(17C後頃)〕

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世界大百科事典(旧版)内の洪範九疇の言及

【洪範】より

…天下を治める大法を述べた書。その大法は五行,五事,八政,五紀,皇極,三徳,稽疑,庶徴,五福・六極で,洪範九疇と称される。伝承によれば,殷の箕子(きし)が作って周の武王に授けたというが,戦国時代の人の仮託であろう。…

【五行】より

…五気が流行するといえば宇宙を構成する基本的な5元素のように考えられるが,民が行用するといえば自然界に通常に見いだされ,かつ日常生活に必須の基本的な物質をさすようであり,五行説成立の初期においては後者の意味が主であったと思われる。《書経》の甘誓篇と洪範篇に五行の名があらわれ,とくに洪範篇では,夏の禹王が天から授かったという9種類の天地の大法,いわゆる〈洪範九疇(きゆうちゆう)〉の第1に五行をあげたうえ,五行それぞれの性質を,水は潤下(じゆんか)(ものを潤して低きにつく),火は炎上(燃えて上にあがる),木は曲直(曲がりまたまっすぐになる),金は従革(自由に変形する),土は稼穡(かしよく)(種まきととりいれ)と説明している。しかし洪範篇成立の時代を確定することはむずかしく,五行説の創唱者としては戦国時代の斉の思想家鄒(騶)衍(すうえん)が考えられる。…

※「洪範九疇」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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