浄瑠璃供養(読み)じょうるりくよう

改訂新版 世界大百科事典 「浄瑠璃供養」の意味・わかりやすい解説

浄瑠璃供養 (じょうるりくよう)

邦楽曲名河東(かとう)節,一中節掛合曲。正しくは《源氏十二段浄瑠璃供養》。《源氏十二段》ともいう。1807年(文化4)8月,5世十寸見(ますみ)河東23回忌,6世河東13回忌追善として,柳橋河内屋半次郎方で初演。栄思(えいし)(三升屋二三治作詞,7世河東と5世都一中が初めて語った。浄瑠璃の語源ともなった《浄瑠璃物語》(《十二段草子》ともいう)から,笛の段と忍の段を脚色したもの。矢矧(やはぎ)の里の長者の娘浄瑠璃姫が,大勢の侍女に囲まれて管絃を楽しんでいる。金売吉次の供をしてこの家に泊まり合わせた牛若丸は,それに合わせて笛を吹く。姫は侍女に尋ねさせて,牛若丸と知り,その夜契りを結ぶ。やがて夜が明けてなごりを惜しみつつ牛若丸は去って行くという筋。古い曲節を巧みに使い,河東節,一中節の特色が十分に発揮されている。なお,山田流箏曲にも移されている。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

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