朝日日本歴史人物事典 「浄音」の解説
浄音
生年:建仁1(1201)
鎌倉時代の浄土宗の僧侶。諱は法興。一説に建仁2(1202)年生まれ。宰相中将藤原雅清の子。慈円について出家し,のち証空に師事し浄土宗儀を学ぶ。京都の粟生光明寺に住し,浄土宗の教化に励む。観性に粟生光明寺を譲ったのち,仁和寺西谷に移り光明寺を開く。後嵯峨天皇,亀山天皇の帰依を受ける。証空のあとを受け東山禅林寺にも住したという。洛西西谷に住して教化したことから,その門流を西谷流という。観智,了音,観性などの門弟を育てる。著書は『往生論註刪補鈔』『観経序文義愚要鈔』『西谷口決抄』など。
(林淳)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報