浅沼村(読み)あさぬまむら

日本歴史地名大系 「浅沼村」の解説

浅沼村
あさぬまむら

[現在地名]佐野市浅沼町

富岡とみおか村の南に位置し、西は小屋こや町。「沙石集」に、「下野国アソ沼」に住み殺生を好む鷹遣が、夢の中で自分が殺した鴛の女房に責められ、翌朝雄に嘴を合せて死んでいる雌の鴛の姿を目にし、哀れに思い出家したという説話がある。「アソ沼」は小屋町の田の中にあって、「安蘇沼」と記され、真菰が茂って真菰の池ともよばれたという(下野国誌)。なお「沙石集」より先に成立した「古今著聞集」では、類話の地を陸奥国のこととしている。観応元年(一三五〇)八月二〇日の阿曾沼秀親譲状(小山文書)によると、阿曾沼あそぬま郷地頭職が某に譲られている。譲状の対象となった同郷は当地に比定され、阿曾沼氏の本貫地であったと考えられる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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