浦島子伝(読み)うらしまこのでん

百科事典マイペディア 「浦島子伝」の意味・わかりやすい解説

浦島子伝【うらしまこのでん】

平安中期の浦島子をめぐる漢文の伝。作者不詳。古くは本書に基づいて《続浦島子伝記》が書かれたとされたが,現在では《続浦島子伝記》を基に現《浦島子伝》が作られたと考えられている。現存するものは,近世儒者木下順庵が補訂したもの。一般の浦島伝説とは異なり,霊亀は海神の娘であり,前世において浦島子と夫婦であったとする点が《続浦島子伝記》と共通する。これらの〈伝〉には,亀の報恩というモチーフはいまだ見られない。

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