浮石村(読み)うきいしむら

日本歴史地名大系 「浮石村」の解説

浮石村
うきいしむら

[現在地名]豊田町大字浮石

粟野あわの川流域平野を中心に開けた地域で、北はいちまた村、東は宇内うない村、南は八道やじ村などの諸村に隣接する。長府藩領で豊浦郡田耕筋に属す。

浮石八幡宮の文明八年(一四七六)の棟札に「浮石」と記される。村名の由来を「地下上申」は「往古山しほ(山津波)満申たる時分、大サ四尺四方成石うき流出、当所八幡宮之沖道之中程に止り候由」と記す。その石と「爾浮石村名原」の碑がある。永禄一〇年(一五六七)四月一九日付杉彦七宛の毛利元就・輝元連署安堵状(「閥閲録」所収)に「同国豊田郡内浮石別府之内六拾石足」とあり、浮石別府の名でもよばれていたことが知られる。

慶長五年(一六〇〇)検地帳で総高三千八〇〇石余とあり、同一五年の検地帳では総高三千八五八石余、うち田方が二六〇町余で三千六三四石余、畠方が二七町余で八一石余、百姓屋敷三〇五と記されるが、その範囲には付近の宇内金道きんどうなどの地も含んでいたかもしれない。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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