海の聖母(読み)ウミノセイボ

デジタル大辞泉 「海の聖母」の意味・読み・例文・類語

うみのせいぼ【海の聖母】

吉田一穂の第1詩集。大正15年(1926)刊。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「海の聖母」の意味・わかりやすい解説

海の聖母
うみのせいぼ

吉田一穂(いっすい)の第一詩集。1926年(大正15)11月金星堂刊。装丁亀山巌。1919年以後の作品40編を収める。「薔薇篇(ばらへん)」「羅甸(ラテン)区」「青篇」の3部に分かれ、「叙次」には、「29歳の詩人として、始めて自己の王国の建設に入り……」と新進詩人の自負が語られている。「薔薇篇」には北原白秋(はくしゅう)に激賞された短詩「母」があり、「羅甸区」には「感覚的な象徴詩」(『都市素描』)、「青篇」には「高踏派風韻」をもった『千一夜物語』など、個性的な詩編が多い。

[窪田般彌]

『『海の聖母』復刻版(1973・渡辺書店)』

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