海水温と魚の生態とは密接な関係があり,温度分布が分かれば,潮境や海水の流れが推測でき,好漁場を予測することができる。このため人工衛星による観測が広範囲に進められている。日本気象協会ではアメリカの気象衛星ノアの海水温情報を VAN (付加価値通信網) を用いてユーザーに提供するシステムを開発した。さらに漁業情報サービスセンターは,ノアの海水温情報をパソコン通信により全国の水産試験場に提供するシステムを整備,今後は大規模な漁業データバンクにまで育てる方針である。このほか海中に設置した送信・受信ブイによる音波情報を衛星通信を通じて解析し,海水温を把握するシステムも開発されている。