日本大百科全書(ニッポニカ) 「消波工」の意味・わかりやすい解説
消波工
しょうはこう
wave dissipator
波のエネルギーを分散あるいは消失させることを目的とした構造物、もしくはこれら構造物を用いた工法をいう。古くはローマ時代の捨石防波堤にみられるように、堤内の空隙(くうげき)と石材の粗さ・かみ合わせなどにより、波のエネルギーを乱れさせて消失させる原理を応用したもので、現代では、捨石のかわりに波の大きさに応じて種々の重量をもつコンクリートの異形ブロックを積み重ね対応させている。異形ブロックの研究は1940年代から始まり、フランスで開発されテトラポッドの商品名で知られる消波ブロックがその最初のもので、その後、多種類のブロックが開発されている。
[堀口孝男]