消滅核種(読み)ショウメツカクシュ(その他表記)extinct radionuclide

デジタル大辞泉 「消滅核種」の意味・読み・例文・類語

しょうめつ‐かくしゅ〔セウメツ‐〕【消滅核種】

消滅放射性核種

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「消滅核種」の意味・わかりやすい解説

消滅核種
しょうめつかくしゅ
extinct radionuclide

かつては天然に存在していた放射性核種で,現在では崩壊によって検出不可能な量にまで減少していると考えられる核種。たとえばヨウ素 129は原始太陽系には存在したと考えられる (隕石中にヨウ素 129の放射壊変によって生じたと考えられるキセノン 129が存在するので) が,現在では自然界にヨウ素 129は発見されない。これはヨウ素 129の半減期が 1700万年と太陽系の年齢 46億年に比べて短いため,ヨウ素 129はほとんどすべて放射壊変してキセノン 129になったものと考えられる。現在はウラン 235 (半減期は7億年) ,プルトニウム 244 (半減期は 8000万年) ,サマリウム 147,鉛 205,ウラン 236,キュリウム 247,パラジウム 107などの壊変生成物や壊変の痕跡を検出する試みがいろいろ行われている。これらの研究は,元素宇宙で合成されてから太陽系ができるまでの時間を推定するのに役立つ。

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