液化装置(読み)えきかそうち

百科事典マイペディア 「液化装置」の意味・わかりやすい解説

液化装置【えきかそうち】

気体液体に変化させるための装置。気体を断熱膨張させると温度が下がることを利用するのが一般的。圧縮した気体を細孔をもった弁から噴出させてジュール=トムソン効果により冷却させ,これを熱交換器に通して圧縮機に戻し,この過程を繰り返し次第に温度を下げ液化するハンプソン=リンデの液化法,円筒内で断熱膨張によって冷却した空気を,流入してくる気体の予冷に用いるクロード液化法,その改良であるクロード=ハイランド液化法などがある。液化装置によってつくられる液体ヘリウム液体窒素は,物質科学分野の低温物性研究のほか近年では広く物理・化学・生物の基礎研究にも用いられ需要が増大している。

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

今日のキーワード

南海トラフ臨時情報

東海沖から九州沖の海底に延びる溝状の地形(トラフ)沿いで、巨大地震発生の可能性が相対的に高まった場合に気象庁が発表する。2019年に運用が始まった。想定震源域でマグニチュード(M)6・8以上の地震が...

南海トラフ臨時情報の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android