リンデ(読み)りんで(英語表記)Hans-Martin Linde

日本大百科全書(ニッポニカ) 「リンデ」の意味・わかりやすい解説

リンデ(Carl Paul Gottfried Ritter von Linde)
りんで
Carl Paul Gottfried Ritter von Linde
(1842―1934)

ドイツの化学者、技術者。ベルンドルフに生まれる。アンモニア冷凍機空気液化で知られる。ミュンヘン工科大学助教授教授(1868~1879)を経て、リンデ製氷機会社を設立して社長に就任(1879~1890)。数年の研究を経て、1876年液体アンモニアを用いた実用的冷凍機の製作に初めて成功した。ついで、その冷凍機(または製氷機)を製造する目的で企業経営に足を踏み入れた。1895年にはジュール‐トムソン効果を応用して、圧縮冷却を繰り返す工程によって、空気の液化に成功した。さらに液体空気からの液体窒素液体酸素の工業的分離に成功した(1902)。

[川又淳司 2018年12月13日]


リンデ(Hans-Martin Linde)
りんで
Hans-Martin Linde
(1930― )

ドイツのフルート奏者、リコーダー奏者。フライブルク音楽大学でフルートと合唱指揮を学ぶかたわら、リコーダーを修得。1957年からバーゼルスコラ・カントルムで教えるとともに独奏、室内楽の演奏活動を始め、62年(昭和37)ドイツ・バッハ・ゾリステンの一員として初来日。古楽器バロック音楽の研究家として知られ、とくにバロック音楽の装飾法に関する権威者の1人。学究的なじみな演奏スタイルながら、気品と深さを備えた表現に独特の味をみせる。

[岩井宏之]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「リンデ」の意味・わかりやすい解説

リンデ
Linde, Carl (Paul Gottfried) von

[生]1842.6.11. バイエルン,バーンドルフ
[没]1934.11.16. ミュンヘン
ドイツの工学者。機関車製作所に勤めたのち,1868年新設のミュンヘン工科大学の助教授となり,機械設計の講座を担当。 74年メチルエーテル冷却機,76年アンモニア冷却機の特許を取り,95年ジュール=トムソン効果を利用して空気の液化に成功。 1901年精留塔を考案し,精留によって,純粋酸素と純粋窒素を得た。彼の業績は,その後の低温物理学の発展に直接・間接の寄与をなした。他方,産業上の意義も大きかった。 97年貴族の称号を贈られた。

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