淡島様(読み)あわしまさま

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「淡島様」の意味・わかりやすい解説

淡島様
あわしまさま

和歌山市加太町にある加太淡島神社 (淡島明神) を中心とする,主として婦人病に効験あるとされる信仰。この神は住吉神の女房神といわれ,女子が人形をつくって奉献する風習があった。加太の淡島神社では3月3日に奉納された雛人形を海に流す「雛流し」の行事がある。また関東の農村では,3月3日に女房たちが淡島講や三日月講を催す例もみられる。元禄年間 (1688~1704) に淡島願人という一種の乞食者が淡島様の縁起を唱えて諸国を巡歴したため,婦人病に霊験あらたかな神として民間,特に花柳界の女性に広く信仰されるようになった。

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世界大百科事典(旧版)内の淡島様の言及

【淡島信仰】より

…淡島様という神は婦人病に効験があるとされ,少彦名(すくなびこな)命をまつる加太(かだ)神社(和歌山市)を淡島明神と称し各地に勧請してまつるという。一説に淡島様は住吉明神の妻神であったが帯下(たいげ)の病にかかり,熊野の淡島に流され,女の守り神になったともいう。…

【縁結び】より

…このことから結婚の仲だちをする人のことを縁結びの神ということがある。その他村のはずれ,辻などにある道祖神(サエノカミ)や,淡島(あわしま)様も縁結びの神といわれて,願かけがされ,仲人をサエノカミとよぶ地域もある。 また良縁を祈って願をかける縁結びの木もある。…

※「淡島様」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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