住吉神(読み)スミノエノカミ

デジタル大辞泉 「住吉神」の意味・読み・例文・類語

すみのえ‐の‐かみ【住吉神/墨江神】

住吉すみよし大社祭神である表筒男命うわつつのおのみこと中筒男命なかつつのおのみこと底筒男命そこつつのおのみこと総称伊奘諾尊いざなぎのみこと日向ひゅうが檍原あはきはらみそぎをしたときに生じた神々。海上守護神、また和歌の神として尊崇される。すみよしのかみ。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「住吉神」の意味・わかりやすい解説

住吉神
すみよしのかみ

墨江神(すみのえのかみ)、住吉神(すみのえのかみ)ともいう。伊弉諾尊(いざなぎのみこと)が筑紫日向之橘小門之阿波岐原(つくしのひむかのたちばなのおどのあわぎのはら)で禊(みそぎ)をしたとき、阿曇連(あずみのむらじ)の祭る海神少童(わたつみ)(海津見)三神とともに出現した、底筒男(そこつつのお)、中(なか)筒男、表(うわ)(上)筒男の三神を住吉大神(すみのえのおおかみ)という。仲哀(ちゅうあい)天皇崩後の神功(じんぐう)皇后の朝鮮半島平定説話は、この神の託宣に従って行われた神威譚(たん)である。この神は造船港湾などにも関連し、とくに海外への航路神、軍神として高い尊崇を受けた。この神の記事はほとんどの古代文献にみえ、とりわけ8世紀に書かれたと推定される『住吉大社神代記』には、他の古文献にない資料もみえる。しかし皇神(すめがみ)、現人神(あらひとがみ)ともよばれるこの神の成立や発展については、なお未解明の部分が多い。

吉井 巖]

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