淡津泊(読み)あわづのとまり

日本歴史地名大系 「淡津泊」の解説

淡津泊
あわづのとまり

平安時代に、加賀国江沼えぬま郡に存在したと思われる湊。「為房卿記」寛治五年(一〇九一)七月一九日条に「早旦人乗船進発、未刻著淡津泊、依勅旨田沙汰、今日逗留境内」とある。これによれば加賀守藤原為房は京へ向かうため早朝に加賀国府を出発、未の刻(午後二時頃)に淡津泊に到着したという。翌日暁には淡津泊を出発、日本海沿岸を南下して正午頃越前大丹生おにゆう(現福井市)に着いている。この淡津泊の位置であるが、能美のみ粟津あわづ(現小松市)あたりとすると、日本海へ出るためには国府から南西に約四キロの陸路をとり、木場きば潟・今江いまえ(現同上)を通過しなければならず、きわめて遠回りとなる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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