日本大百科全書(ニッポニカ) 「深浦正文」の意味・わかりやすい解説
深浦正文
ふかうらしょうぶん
(1889―1968)
明治~昭和期における真宗の僧で仏教学者。文学博士。奈良県に生まれる。龍谷(りゅうこく)大学研究科卒業後、インドに留学。のち龍谷大学教授として、仏教学とくに唯識(ゆいしき)学・倶舎(くしゃ)学を講ずる。退官後、同大学名誉教授。西本願寺勧学(かんがく)などを務め、アメリカ、カナダ、ハワイに布教巡講する。法相(ほっそう)唯識学を専門とするが、その研究領域は広い。また仏教の一般普及にも尽力した。主著は『唯識学研究』上下2巻であり、著書の総数は42の多きに及ぶ。
[阿部慈園 2017年9月19日]
『『唯識学研究』上下(1954・永田文昌堂/オンデマンド版・2011・大法輪閣)』▽『深浦正文著『仏伝文学物語』(1961・誠信書房)』