デジタル大辞泉 「混く」の意味・読み・例文・類語 ひたた・く【▽混く】 [動カ下二]1 雑然とする。「人しげく―・けたらむ住まひは」〈源・須磨〉2 しまりなく乱れている。「―・けて歩ませ給ふこと、またなきことになむおはしましける」〈栄花・峰の月〉3 混同する。「おろかなる俗家は実じちを知らず、―・けて坐禅宗といひき」〈正法眼蔵・弁道話〉 出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
精選版 日本国語大辞典 「混く」の意味・読み・例文・類語 ひたた・く【混】 [ 1 ] 〘 他動詞 カ行下二段活用 〙① 異なったものを混合する。[初出の実例]「混合也〔訓比多多気(ヒタタケ)〕」(出典:成唯識論述記序釈(797頃))「濁有るも濁无きも、経謂を一流に混(ヒタタク)」(出典:将門記承徳三年点(1099))② 別の物を同じと思う。混同する。〔観智院本名義抄(1241)〕[初出の実例]「禅と教と方便を守ぬるは、ひたたけて同くすべからず」(出典:米沢本沙石集(1283)五末)[ 2 ] 〘 自動詞 カ行下二段活用 〙① 入りまじる。多くのものが雑然としている。[初出の実例]「人しげくひたたけたらむすまひは、いと本意なかるべし」(出典:源氏物語(1001‐14頃)須磨)② しまりがなく乱れている。きちんとしていない。また、みだりに他人の意見に従う。[初出の実例]「などてひたたけてさまよひさしいづべきぞ」(出典:紫式部日記(1010頃か)消息文) 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例