添ひ(読み)ソイ

デジタル大辞泉 「添ひ」の意味・読み・例文・類語

そい〔そひ〕【添ひ/傍】

山の斜面
「岳の上より南の―を下りざまにおもむけたり」〈今昔二五・五〉
人や物のかたわら。そば。わき。
「これを御笛に吹かせ給ふを―にさぶらひて」〈・二四五〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「添ひ」の意味・読み・例文・類語

そいそひ【添・傍】

  1. 〘 名詞 〙 ( 動詞「そう(添)」の連用形の名詞化 ) 主なものにそうこと。また、そうようにしてあるものの意。
  2. 山などの側面。斜面。
    1. [初出の実例]「伊香保ろの蘇比(ソヒ)榛原わが衣に付きよらしもよひたへと思へば」(出典万葉集(8C後)一四・三四三五)
    2. 「大嶽の戌亥の方のそひに、おほきなる巖あり」(出典:宇治拾遺物語(1221頃)二)
  3. 人や物のかたわら。そば。わき。
  4. 人につき従うこと。また、つきそう人。
    1. [初出の実例]「二の宮火し、そのほかところところゑ御まいり、上らふ御そいにめす」(出典:御湯殿上日記‐文明一二年(1480)六月八日)

添ひの補助注記

の「万葉集」の例は別語で、「そびゆ」などと同語源とする説もあるが、「今昔‐二五」の「岳の上より南の添を下様に趣けたり」の「添」や下二段「そふ」の連用形名詞とみられる「そえ(添)」の例などから、「そう(添)」の連用形名詞と考えられる。

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