添・傍(読み)そい

精選版 日本国語大辞典 「添・傍」の意味・読み・例文・類語

そい そひ【添・傍】

〘名〙 (動詞「そう(添)」の連用形の名詞化) 主なものにそうこと。また、そうようにしてあるものの意。
① 山などの側面斜面
万葉(8C後)一四・三四三五「伊香保ろの蘇比(ソヒ)榛原わが衣に付きよらしもよひたへと思へば」
※宇治拾遺(1221頃)二「大嶽の戌亥の方のそひに、おほきなる巖あり」
② 人や物のかたわら。そば。わき。
③ 人につき従うこと。また、つきそう人。
※御湯殿上日記‐文明一二年(1480)六月八日「二の宮火し、そのほかところところゑ御まいり、上らふ御そいにめす」
[補注]①の「万葉集」の例は別語で、「そびゆ」などと同語源とする説もあるが、「今昔‐二五」の「岳の上より南の添を下様に趣けたり」の「添」や下二段「そふ」の連用形名詞とみられる「そえ(添)①」の例などから、「そう(添)」の連用形名詞と考えられる。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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