最新 地学事典 の解説
おんどあつりょくじかんへんけいけいろ
温度-圧力-時間-変形経路
pressure-temperature-time-deformation path
変成岩あるいは変成地域の温度・圧力条件・変形作用の時間的変化を示す経路。P-T-t-D path,P-T-t-D loopとも。圧力-温度図上において,時計回りあるいは反時計回りの曲線により表現される。ある一つの変成地域においても,そのなかの個々の変成岩によって経路がさまざまに異なることが一般的。このことは,ある変成地域の変成分帯や累進変成作用がその地域のある特定の時間における圧力・温度などの空間的分布を必ずしも表現しないことを示す。それぞれの経路の解析に基づき,変成地域のテクトニクスを解明。経路解析においては,定性的時間軸として変形史を使用し,個々の変成岩中の構造・組織の形成順序と,それらを構成する変成鉱物の消長関係とを関連づけて温度・圧力などの変成条件の変化を推定。さらに構造解析に基づく運動像の変遷の解明から,変成条件の変化を運動学・造構論的にとらえる。そして経路における定量的時間決定のために放射年代を測定。類似したものとして,解析内容の違いにより,温度-圧力経路,温度-圧力-時間経路,温度-圧力-変形経路がある。
執筆者:豊島 剛志
出典 平凡社「最新 地学事典」最新 地学事典について 情報

