港務局(読み)こうむきょく

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「港務局」の意味・わかりやすい解説

港務局
こうむきょく

地方公共団体が港湾の管理のために設置する公の財団法人。港湾法第2章の規定に基づき港湾の施設を管理する公共団体などが単独,または共同して定款を定め,運輸大臣または都道府県知事認可を受け,登記をすることによって成立する。業務は,港湾区域および港湾施設を良好な状態に維持し,港湾施設の建設および改良の計画を作成し,その工事を行い,水域施設,係留施設の使用を規制し,船舶に対する給水などの役務の提供など広範にわたる。英米のポート・オーソリティ Port Authorityにならった制度であるが業務範囲が限られ,英米のような目立った活動実績はない。ポート・オーソリティは広範の権限有し,港湾関連の各種開発プロジェクトを主体的に推進する事業主体となっているが,日本の港務局制度はそこまでの権限を認められていない。

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世界大百科事典(旧版)内の港務局の言及

【港湾】より

…それが戦後の1950年に,港湾を国の営造物とするそれまでの中央集権的な思想から,港湾はその発展にもっとも身近な利害をもつ地域住民の意思を代表する港湾管理者によって自主的に経営されるべきであるとする発想の転換に基づいて,港湾の基本法ともいわれる港湾法が制定されたのである。港湾法が期待した港湾経営の主体としての〈港湾管理者〉は,ロンドン港庁やニューヨーク港庁の例にならった〈港務局(ポート・オーソリティ)〉であった。これは,地方公共団体が単独,または共同して設立する営利を目的としない公法上の法人である。…

※「港務局」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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