湖南学派(読み)こなんがくは(英語表記)Hú nán xué pài

改訂新版 世界大百科事典 「湖南学派」の意味・わかりやすい解説

湖南学派 (こなんがくは)
Hú nán xué pài

中国,宋代に興った道学の一分派。湖南省衡山こうざん)を中心に栄えたのでこう呼ぶ。天理と人欲,義と利,華(中国)と夷(異民族)を峻別し,排仏論をとなえ,歴史に対しては厳格な倫理批判を行った。また,心学に関しては胡五峯(宏)が察識端倪(たんげい)説をとなえている。これは,心のなかの天理は心が動く已発(いはつ)の瞬間に出現するから,それを見きわめ拡充してゆくというダイナミックな修養法で,その弟子張栻(ちようしよく)(南軒)に伝えられ,思想形成期の朱熹に大きな影響を与えた。この派の学者として,ほかに胡安国,胡致堂(寅(いん),五峯の兄)などが著名である。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android