天理(読み)テンリ

世界大百科事典 第2版の解説

てんり【天理 tiān lǐ】

中国思想の用語。天から付与された善性のこと。〈人欲〉の対語。宋代に新儒教(朱子学)がおこって以来さかんに使われた語。天理という言葉それ自体は,すでに《荘子》養生主篇に〈天理に依(よ)りて大いなる郤(すきま)を批(う)つ〉とみえている。この言葉は庖丁(ほうてい)という名料理人が牛の解体法をきかれたときに発したもので,ここでいう天理は牛の体のなかにある天然のすじめという具体的なものを指している。《荘子》外・雑篇になると,自然の理法といった,より抽象的な意味の天理がしばしばあらわれる。

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大辞林 第三版の解説

てんり【天理】

万物を支配する天の道理。自然の道理。 「 -に従う」 「 -に背く」

てんり【天理】

奈良県、奈良盆地の東縁にある市。近世、宿場町・市場町として栄えた丹波市たんばいちが中心。天理教本部・石上いそのかみ神宮がある。

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精選版 日本国語大辞典の解説

てん‐り【天理】

[1] 〘名〙 天然自然の道理。人為でない天の正しい道理。万物を支配している道理。
※性霊集‐一(835頃)贈野陸州歌・序「雖云天理合歓然、人情豈无感歎」
為兼和歌抄(1285‐87頃)「天地の心にもかなふべきにこそ気性は天理に合とも侍にや」 〔礼記‐楽記〕
[2] 奈良県中北部の地名。奈良盆地の東部にある。上代から開け、物部氏・柿本氏の領地が置かれ、上街道が通じ、丹波市(たんばいち)などの市場町・宿場町が発達。中世は東大寺・興福寺の荘園が多かった。江戸末期にこの地に天理教が生まれ、以後、宗教都市となり、市名にも宗教名が採用された。西山古墳・石上(いそのかみ)神宮・天理教本部・天理大学・天理図書館などがある。昭和二九年(一九五四)市制。

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