湖春(読み)こしゅん

改訂新版 世界大百科事典 「湖春」の意味・わかりやすい解説

湖春 (こしゅん)
生没年:1648-97(慶安1-元禄10)

江戸前期の俳人。姓は北村。名は季順(すえより)。通称は久太郎(休太郎)。初号季重。北村季吟の子。京都三条山伏山町の生れ。父季吟の指導によって幼時から俳諧に親しみ,1659年(万治2)12歳で早くも季吟の古今伝授竟宴(きようえん)の俳諧に出座,67年(寛文7)には20歳の若さで宗匠となり,季吟の援助の下これを記念して《続山井(ぞくやまのい)》を編んだ。78年(延宝6)ころから季吟の庇護を離れ,俳壇での主導権を譲られたようで,談林の新風を競い合う気鋭の若手俳人との交渉が活発となった。85年(貞享2)には芭蕉とも一座をもち,蕉門系の俳書にもしばしば句を採られるにいたったが,其角の《いつを昔》(1690)の序に,芭蕉らの正風(しようふう)体を貞門古風の復活と説くなど,内実は旧風の俳諧観に終始した。89年(元禄2),父とともに幕府歌学方の召抱えとなり江戸に下ってのちは,めぼしい俳諧活動はない。元禄10年1月15日,父より先に没。享年50歳。〈あめつちのはなしとだゆる時雨哉〉(《曠野》)。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「湖春」の解説

湖春 こしゅん

北村湖春(きたむら-こしゅん)

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

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