正風(読み)ショウフウ

デジタル大辞泉 「正風」の意味・読み・例文・類語

しょう‐ふう〔シヤウ‐〕【正風】

物事の、あるべき正しい姿。
正風体しょうふうてい」に同じ。
蕉風しょうふう」に同じ。

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精選版 日本国語大辞典 「正風」の意味・読み・例文・類語

しょう‐ふうシャウ‥【正風】

  1. 〘 名詞 〙
  2. しょうふうてい(正風体)
    1. [初出の実例]「ゆがみたるをば変風と申す。正しきをば正風と申す」(出典:十問最秘抄(1383))
  3. しょうふうてい(正風体)
    1. [初出の実例]「ほととぎすひとつも声の落句なし とや申べからん。是こそ俳諧の正風とおぼゆるはひがごころへにやあらん」(出典:俳諧・大坂独吟集(1675))

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改訂新版 世界大百科事典 「正風」の意味・わかりやすい解説

正風 (しょうふう)

和歌連歌俳諧用語。正風体ともいう。規範とすべき正しい風体をいうが,時代やジャンルや個人によって概念に多少の相違がある。幽斎は,《古今集》《新古今集》,近くは実隆などの〈花実相通(かじつそうつう)〉の歌風を正風とし,〈先づ正風体を本とすべきなり〉と重んじ(《耳底記(にていき)》),兼載は,伝統的な和歌の美意識をすなおに受け入れた風体を連歌の正風体とした(《景感道》)。貞門俳諧では,連歌に準拠した〈実(まこと)〉の勝った自派の俳風を,談林の異風に対して正風体と称したが,談林の西鶴は,連歌以来の正統な付物(つけもの)による俳風を正風とし,当流仕立ての正風体を重んじた。元禄期(1688-1704)には,定型を守った有心(うしん)の俳体が流行し,正風体と呼ばれた。芭蕉らの蕉風は,貞室を正風体の祖とみなし,〈不易流行(ふえきりゆうこう)〉論の〈不易〉の体に擬して力説したため,やがて蕉風そのものが正風と呼ばれるに至った。
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百科事典マイペディア 「正風」の意味・わかりやすい解説

正風【しょうふう】

蕉風

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普及版 字通 「正風」の読み・字形・画数・意味

【正風】せいふう

二南の詩。

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