日本歴史地名大系 「湯之尾堰」の解説 湯之尾堰ゆのおぜき 鹿児島県:伊佐郡菱刈町川北村湯之尾堰湯之尾神社西方の川内(せんだい)川にある堰。災害防止と灌漑用水の確保のため、寛文元年(一六六一)川の流れを変える工事とともに着手され、翌年完成。延宝八年(一六八〇)には当堰を起点とする用水路が川内川両岸に開削された。右岸側に延びる水路中央(ちゆうおう)溝は湯之尾郷川北(かわきた)村・馬越(まこし)郷前目(まえめ)村・本城(ほんじよう)郷下手(しもで)村と川内川同様南東から北西へ流れる。中央溝は洪水時の水量調節が難しくしばしば破損したため、文化一四年(一八一七)郡奉行宮里五兵衛により北(きた)溝(現菱刈用水)の開削が着手された。岩盤八四間(約一五〇メートル)をうがち、幅一三尺(約四メートル)・深さ九尺(約二・七メートル)が開削されて文政元年(一八一八)三月竣工した。 出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報