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荒田 アラタ

デジタル大辞泉の解説

あら‐た【荒田】

長い間耕されないので荒れている。あれた。
「ますげ生ふる―に水をまかすれば嬉し顔にも鳴く蛙(かはづ)かな」〈風雅・春下〉

こう‐でん〔クワウ‐〕【荒田】

荒廃した田地

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世界大百科事典 第2版の解説

こうでん【荒田】

荒廃した田畠の総称で,年貢,公事の免除地。検注帳などでは,常荒(じようこう),年荒(ねんこう),荒,不作(ふさく)のような区別がみられた。常荒とは,かつて田畠として開発されたが,地質,地勢などの条件によりほとんど収穫が望めないため,長い間放置されたままの荒地をいう。田畠全体に占める常荒の割合は,地域的偏差はあるが比較的小さい。年荒は,地力の減退,灌漑用水の不備,労働人口の移動性などの諸条件により,ある期間耕作を放棄した田畠をいい,〈かたあらし〉とも称した。

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大辞林 第三版の解説

あらた【荒田】

荒れた田。久しく耕作しない田。あれた。 「 -に生ふるとみ草の花/風俗歌」

こうでん【荒田】

洪水や耕作放棄などにより荒れた田地。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

荒田
こうでん

古代の律令制において、荒廃して耕作が不能となった田地。荒廃田(こうはいでん)ともいう。春の耕種後に荒廃した損田(そんでん)とは異なる。台帳上では耕作可能にもかかわらず、実際は耕作されない不堪佃田(ふかんでんでん)や、恒常的な荒廃田である常荒田(じょうこうでん)も荒田である。大宝令においては、未熟荒野の地を意味する荒地(こうち)の語とは区別された。田令荒廃条では、3年以上経過した荒廃田は希望者に貸与して再開墾させたが、口分田(くぶんでん)などの私田は3年で田主に、乗田などの公田は6年で国家に返却させた。しかし、荒廃田は増加し、平安時代の初期には賜田(しでん)として親王らに与えられた。なお、地味が薄く、年ごとの耕作が無理な田地は、大宝田令では易田(えきでん)という。その後、毎年の耕作が不可能で休耕が必要な不安定な耕地は、年荒(ねんこう)や片荒(かたあら)しと呼ばれた。他方、常荒田を再開墾する者には、終身の用益権が認められるようになった。[吉村武彦]
『戸田芳実著『日本領主制成立史の研究』(1967・岩波書店) ▽井上光貞他校注『日本思想大系3 律令』(1977・岩波書店) ▽弥永貞三著『日本古代社会経済史研究』(1980・岩波書店) ▽宮本救著『律令田制と班田図』(1998・吉川弘文館)』

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