日本歴史地名大系 「湯井郷」の解説 湯井郷ゆいごう 千葉県:東金市油井村湯井郷由井郷とも記す。観応三年(一三五二)一〇月一五日の足利尊氏御教書(浄光明寺文書)によると、北山辺(きたやまべ)郡内由井郷が鎌倉浄光明(じようこうみよう)寺に寄進され、尊氏は上総国守護千葉介氏胤宛に同寺雑掌に下地を打渡すよう命じている。その後当郷に関係のあった沼田藤七入道妙覚が異議を唱えたため、貞治二年(一三六三)足利基氏は妙覚に替地を宛行うことを命じた(二月二七日「鎌倉公方足利基氏御教書」光明寺文書)。同じ頃同郷内の越田七段大・給分方田地一町三段小・政所屋敷免を千葉介氏胤の家人らが押領しており、基氏は新田(世良田)義政と思われる新守護伊予守に排除を命じている(貞治三年四月一六日「鎌倉公方足利基氏御教書」浄光明寺文書)。 出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報