朝日日本歴史人物事典 「源有賢」の解説
源有賢
生年:延久2(1070)
平安後期の管絃に堪能な公卿。父は敦実親王を祖とする郢曲宇多源氏嫡流の刑部卿政長,母は能季の娘,頼光の娘などの記述があり不詳。息子は資賢。『続古事談』には堀河天皇が初めての朝覲行幸で笛を吹かれたとき,笛の師である政長の息の有賢の殿上が許された話が載るなど,いくつかの説話集に登場する。郢曲や笛のほか,鞠や和琴にも巧みであった。中務大輔,右少将,左京権大夫,斎院長官などを経て天承2(1132)年より宮内卿。保延2(1136)年法金剛院御塔供養行事賞として非参議従三位を授けられる。保延5年4月25日病のため出家,翌月死去。
(小川寿子)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報