溝江庄(読み)みぞえのしよう

日本歴史地名大系 「溝江庄」の解説

溝江庄
みぞえのしよう

南金津みなみかなづ一帯に比定される奈良東大寺領の初期荘園。この地には、後世、興福寺領の河口かわぐち庄溝江郷が成立している。天平神護二年(七六六)一〇月八日付溝江庄所使解(東南院文書)によれば、溝江庄の用水路として計六一五丈(広さ六尺・深さ三尺)の溝を掘り、五百原堰から引水すること、それによって計一段一〇五歩の百姓口分田が損なわれることなどを、佃使僧慚敬・行が国司宛に申請している。なお越前国における東大寺領田の整理に際し作成された、同年一〇月二一日付の越前国司解(同文書)には当庄の名をみない。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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