滑り出づ（読み）スベリイズ

デジタル大辞泉

すべり‐い・ず〔‐いづ〕【滑り^▽出づ】

［動ダ下二］
１ 「すべりでる2」に同じ。
「他方より、やをら―・でて渡り給ひぬ」〈源・蛍〉
２ にじるようにして少しずつ前に出る。
「簀子すのこに―・でて」〈かげろふ・下〉

ぬめり‐い・ず〔‐いづ〕【^▽滑り^▽出づ】

［動ダ下二］すべるようにしとやかに出る。
「花の立木のそのままに―・でたるごとくなり」〈浄・反魂香〉

出典　小学館

精選版 日本国語大辞典

すべり‐い・ず‥いづ【滑出】

1. 〘 自動詞 ダ下二段活用 〙
2. ① 静かに退出して外に出る。こっそりと抜け出す。
   1. [初出の実例]「日の暮ぬればすべり出給ぬ」(出典：竹取物語（９Ｃ末‐１０Ｃ初）)
   2. 「自分は次の間へ退(スベ)りいでて」(出典：当世書生気質（1885‐86）〈坪内逍遙〉七)
3. ② にじるようにして、少しずつ前へ出る。いざって前へ出る。
   1. [初出の実例]「簀子にすべりいでて、おぼろなる月にあてて、ひさしうみていりぬ」(出典：蜻蛉日記（974頃）下)
4. ③ 生まれ出る。
   1. [初出の実例]「風に乱るるさげ髪の、すべり出たは母の腹」(出典：浄瑠璃・曾我会稽山（1718）一)

ぬめり‐い・ず‥いづ【滑出】

1. 〘 自動詞 ダ下二段活用 〙 すべるようになめらかに出る。しとやかに、練るようにして出る。
   1. [初出の実例]「袖くらべぬめり出(イデ)て、御殿の端に立ならび」(出典：浄瑠璃・源氏供養（1676）一)

出典　精選版 日本国語大辞典