日本歴史地名大系 「漆治郷」の解説
漆治郷
しつじごう
「和名抄」所載の郷であるが、同書高山寺本・名博本などでは漆治、東急本・元和古活字本、「出雲国風土記」、天平一五年(七四三)正月八日の造寺所公文(正倉院文書)では漆沼としており、いずれか決めがたい。漆治・漆冶ならばシツジ、漆沼であれば、風土記に志刀沼・薦枕志都沼値とあることからシトヌマであろう。風土記によれば出雲郡八郷の一つで、郡家の東五里余に郷長の家があり、地名は薦枕志都治値(天津枳値可美高日子命のこと、神魂命の子)が鎮座することに由来し、
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報