潜在的失業
せんざいてきしつぎょう
latent unemployment
現在仕事についてはいるが、賃金・所得水準、労働時間・日数、作業環境などの労働条件が悪いため、現在の仕事のほかにさらに別の仕事をもちたいと思っている者(追加就業希望者)や、別の企業に移りたいと考えている者(転職希望者)などが存在する状態をいう。潜在的失業は、このように失業の状態が覆い隠されて目にみえない形をとっているため、統計上は失業者として計上されることはない。わが国では、戦前から主として農家や都市の零細企業などに温存され、日本的低賃金の成立基盤とされてきた。
[内島敏之]
出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例
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