精選版 日本国語大辞典 「零細企業」の意味・読み・例文・類語
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中小企業のなかでとくに小規模なものをさす用語で、各産業分野に広く存在する。産業ごとに条件が異なるため、具体的にいかなる規模以下の企業をさすかはかならずしも明確ではないが、中小企業基本法によれば、小規模企業の定義は、製造業では従業員20人以下、商業・サービス業では5人以下となっている。自家労働と雇用労働の比率に注目して、自家労働経営が圧倒的に多い従業者4人以下を「零細=勤労業者」、自家労働の比重が35%前後を占める5~9人規模を「小=勤労業者と資本家的企業の中間的存在」と規定し、両者をあわせて小零細企業とよぶ場合もある。
産業別では、製造業(業種としては、出版、印刷、金属製品、一般機械、衣服、雑貨など)、不動産業、運輸通信業、卸・小売業に多い。総務省の「経済センサス基礎調査」(平成21年版)によれば、製造業における小規模企業は事業所数で84.4%、従業員数で24.8%を占め、小売業では5人以下の事業所が70.4%、卸売業では57.2%を占めている。
これら(小)零細企業は、従業者10人以上の企業と比較すると、自家労働と自己資本を中心とする個人経営で、経営と家計とが未分離な生業的色彩が強く、金融機関等からの資本調達力が弱い。このため、資本装備率や技術水準も低く、生産性の低い労働集約的経営が多い。経営上の「強さ」(同時に「弱さ」)は、「自家労働力の商品化」(つまり事業主の自己雇用selfemploymentと家族労働の「雇用」)によって、営業収益と事業主を含む家族労働の報酬(労働相当分)が家計と直結していることである。雇用労働力が存在する場合でも、中高年齢者や婦女子ないしは学生アルバイトを含むパートなどの低賃金労働で、労働環境や労働条件も一般に劣悪である。情報収集能力や販売力も弱く、限られた地方市場や特定の取引先に依存せざるをえない。
一方、零細企業の「強さ」の特徴は、需要単位の小さな市場を対象に小回りのきく創造的な経営を行うことである。1990年代なかばごろから、情報通信技術の発達・普及により、自宅や小規模なオフィスでパソコンやインターネットを活用して事業を行うSOHO(ソーホー)(Small Office Home Officeの略)という、新しい形態の零細企業も増加している。政策的には、金融、税制、共済制度、経営指導などの助成政策(商工会議所や商工会の経営指導や、これらの機関を通じて無担保・保証人なしで経営改善資金を融資する「小規模企業経営改善資金」制度や小規模企業共済制度)などの政策がよりきめ細かく展開されることが必要となるだろう。
[殿村晋一・鹿住倫世]
出典 株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について 情報
…大企業と区別して中企業と小企業とを一括する用語。小企業に含まれる零細企業については,それを含めることを明確にするため中小零細企業といった表現が使われることがあるし,また場合によっては中小企業から除外して考えることもある。中小企業は,その国々によって名称は違うが,資本主義体制の先進諸国のどの国にも存在し,経済活動のなかで少なからぬ比重を占めている。…
※「零細企業」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
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