潜在的機能(読み)せんざいてききのう(英語表記)latent function

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「潜在的機能」の意味・わかりやすい解説

潜在的機能
せんざいてききのう
latent function

社会学における機能分析範例として R.K.マートンが提示したもの。彼によれば,機能は機能分析の際の主観的意向 (すなわち社会体系における諸個人の動機づけ目的) を概念化するものとされる。これを明示するため,彼は機能分析にあたって,参与者の主観的意向とかかわらせて顕在的機能とそれに相関連する潜在的機能とをあげる。機能である以上,両者ともに一定体系調整ないし適応に貢献する客観的結果であるが,特に顕在的機能がこの体系の参与者によって意図され認知されたものであるのに対して,潜在的機能は意図されず,認知されないもの,つまり予期せぬ効果を結果としてあげるような機能をいう。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android