日本大百科全書(ニッポニカ) 「瀧谷寺」の意味・わかりやすい解説
瀧谷寺
たきだんじ
福井県坂井(さかい)市三国町滝谷(みくにちょうたきだに)にある真言(しんごん)宗智山(ちさん)派の寺。山号は摩尼宝山(まにほうざん)。本尊は薬師如来(にょらい)。寺伝によると、1375年(天授1)に紀州(和歌山県)根来(ねごろ)寺の学頭睿憲(えいけん)が創建したという。中世以降、この地の土豪堀江氏、福井藩主松平氏、丸岡藩主有馬氏らの厚い崇敬を受けた。寺宝には金銅毛彫宝相華文磬(けぼりほうぞうげもんけい)(国宝)、絹本着色地蔵菩薩(じぞうぼさつ)像(国の重要文化財)などがある。現存の堂宇は室町時代の建築といわれ、安島(あんとう)沖合いの雄島(おしま)の三保明神(みほみょうじん)(大湊(おおみなと)神社祭神)を祀(まつ)る鎮守堂は国の重要文化財。境内の山水庭園は国指定名勝。
[祖父江章子]