最新 地学事典 「灰電気石」の解説
かいでんきせき
灰電気石
uvite
化学組成Ca Mg3(Al5Mg)(Si6O18)(BO3)3(OH)3(OH,F)の鉱物。三方晶系,空間群R3m,格子定数a1.5973nm, c0.7229,単位格子中3分子含む。結晶の両端が三角錐状の柱状。ガラス光沢。劈開なし。硬度7.5。計算密度3.115ɡ・cm−3。褐色,条痕灰色。一軸性負,屈折率ε1.640,ω1.660。電気石上族,X-siteカルシック族,カルシック亜族に属する。OHとFの量比は区別しなかったため,過去の格子定数,物性,光学性などのデータは,現在の灰電気石とフッ素灰電気石の両方にまたがっている可能性がある。改めて新しい定義の灰電気石がIMAで承認され(IMA2019-113),その原産地イタリア・エルバ島では,蛇紋岩を切る電気石脈中に産する。日本では,灰電気石は大分県尾平鉱山から,フッ素灰電気石は奈良県前鬼山山塊の熱水変質した花崗岩中から産出。原産地のあるスリランカUva地方から命名されたが,こちらは再定義の結果,フッ素灰電気石(fluor-uvite)となった。
執筆者:松原 聰
参照項目:電気石上族
出典 平凡社「最新 地学事典」最新 地学事典について 情報

