烏海(読み)うかい

日本大百科全書(ニッポニカ) 「烏海」の意味・わかりやすい解説

烏海
うかい / ウーハイ

中国北部、内モンゴル自治区中南部のオルドス高原西部にある地級市。海勃湾(かいぼつわん)、烏達(うたつ)など3市轄区を管轄する(2016年時点)。人口55万5800(2016)。寧夏(ねいか)回族自治区に接する。黄河(こうが)に沿い、包蘭線(パオトウ蘭州(らんしゅう))が通じる。2003年には烏海空港が開港した。もと烏達、海勃湾の2市であったが、1975年に合併し、烏海市となった。きわめて豊富に石炭を埋蔵し、また包蘭線の支線により吉蘭泰(きつらんたい)塩池から塩、ソーダ供給を受け、化学冶金セメント、機械の各工業が発達している。黄河の対岸はウランブフ砂漠である。2010年からは「黄河海勃湾水利プロジェクト」が進められ、2017年市内を流れる黄河主流に巨大なダムが完成した。

[河野通博・編集部 2017年12月12日]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の烏海の言及

【オルドス】より

…明代にはモンゴル族が優勢であったが,清代には政府の懐柔策が成功して平和が続き,これに乗じて東部では漢民族が進出して牧地の耕地化が行われた。近年,西部の黄河岸には烏海(うかい)市という市が設立され,付近の桌子山(たくしざん)炭坑の石炭をもとに冶金,セメント,化学,機械などを主とする新興工業都市として発展している。また包蘭線(包頭(パオトー)~蘭州)が通過し,ここから西に黄河を越えてジャルタイ(吉蘭泰)に至る支線も敷設された。…

※「烏海」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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