無量寿福寺(読み)むりようじゆふくじ

日本歴史地名大系 「無量寿福寺」の解説

無量寿福寺
むりようじゆふくじ

[現在地名]上野市下神戸 三石代

後ろに山を負い、眼下比自岐ひじき川・長田ながた(木津川)の合流点を見下ろし、やや東北に財良ざいりよう寺跡を望む。天童山と号し真言律宗、本尊阿弥陀如来、初め臨済宗東福寺派で開基は応準行然。行然は貞応元年(一二二二)三田みた庄に生れ(「棘林志」東福寺蔵)、一七歳の時郡之覚然に従って出家、奈良不空院の円晴に沙弥戒を受け、後に京都東福寺で弁円円爾に師事、文永初年頃伊賀に帰り当寺を「興営」したという(本朝高僧伝)。「伊水温故」には「往昔ハ右馬允入道仏光坊開基、其後六十二世村上天皇ノ勅願所トナル、鑑真和尚ノ所行律派ヲ弘通ス、一旦寺門荒廃シテ旧地而已也、聖一国師、震旦五山随一明州慶元府天童山京徳禅寺ノ瑞台ニヨク似タリトシテ、号天童山」とあり、前引「興営」の語からこの事実に近い歴史も考えられる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

今日のキーワード

仕事納

〘 名詞 〙 年の暮れに、その年の仕事を終えること。また、その日。《 季語・冬 》[初出の実例]「けふは大晦日(つごもり)一年中の仕事納(オサ)め」(出典:浄瑠璃・新版歌祭文(お染久松)(1780)油...

仕事納の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android