精選版 日本国語大辞典 「焼付」の意味・読み・例文・類語
やき‐つ・ける【焼付】
〘他カ下一〙 やきつ・く 〘他カ下二〙
① 焼いて印をつける。焼印を捺(お)す。
※源平盛衰記(14C前)三八「金を以て頬(つら)を焼くに、波方とぞ焼付(ヤキツケ)たる」
② 焼いて付着させる。鍍金(めっき)をする。
※羅葡日辞書(1595)「Argentatus〈略〉またはギンバクヲ ヲシ、yaqitçuqetaru(ヤキツケタル)モノ」
③ 陶器に絵や文字を描き、再び窯で焼いて定着させる。
⑤ うれしがらせをいってひきつける。遊里のことば。
※評判記・野郎虫(1660)加川右近「いかなる大明神どのも此人にはこがね色にやきつけられ給ふべし」
⑥ はっきりと刻みつける。強い印象を与える。
やき‐つけ【焼付】
〘名〙
※うもれ木(1892)〈樋口一葉〉一「田の浦の陶場に、焼着(ヤキツケ)画窯(ゑがま)の良結果を奏するまで」
② 加熱による金属の表面加工の一つ。
※宗五大草紙(1528)衣装の事「太刀〈略〉めぬき、我家の紋を焼付にすべし」
③ 写真で、ネガと感光紙を重ねて光をあて、現像・定着をして陽画を作ること。プリント。
※郵便報知新聞‐明治一七年(1884)五月三一日「此三日天気の宜しからぬ為め焼付が出来ぬより」
④ めっきをすること。
やき‐つ・く【焼付】
[1] 〘自カ五(四)〙
① 焼けて跡などが付く。焼けてくっつく。こげつく。
※古事記(712)上(兼永本訓)「即ち其の石に焼著(ヤキツキ)て死(みう)せぬ」
② はっきりと刻まれる。強い印象を受ける。
[2] 〘他カ下二〙 ⇒やきつける(焼付)
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報